釣りを広め、釣りを守る。アドバイザーの仕事とは。

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フィッシングアドバイザー(FA)の仕事とはどんな内容ですか?

山川 Fishingをadviceする立場なので、釣り教室イベントには力を入れています。初心者釣り教室だけでなく、釣り場へ赴いて釣りの指南をしたりもします。釣りの方法やコツ、糸が絡んだなどのトラブルにも対応させてもらっています。釣りを始めて、ハマって、イシグロのお客様となって頂ける方を創造する事が目的です。
その他、TVやラジオ等のメディアにも出演させてもらっていたり、環境保護の啓蒙活動もしています。清掃の啓発や稚魚放流活動などですね。釣りファンを増やす一方で釣りができる環境も未来に残していかなければいけない。そんな責任感のもとでイシグロの釣りの第一人者としての自覚をもって働いています。

社内研修の先生もやってくださっていますね。

山川そうですね。釣り研修の講師もFAが行っています。入社してから2年以内の新入社員への基本釣り研修は、16釣種を習得してもらえるように取り組んでいます。その他、地域で人気の出てきた釣りが発生した場合には該当地域のスタッフにその釣りを経験して学んでもらえるよう別途研修予定を組んだり、敏感に釣りのトレンド等には対応しています。

忙しいFAの仕事かと思いますがどんな働き方をしていますか…

山川本社オフィスではなく、店舗に常駐してお店のスタッフの方々とコミュニケーションをしながら務めていますが、釣りがアウトドアレジャーなだけに基本的にどこかに外出しています。「今日もどこかでアドバイザー!」と今思いついて言いましたけど、一言で言うとそんな感じです(笑)

釣りのプロフェッショナルとしての自覚と責任

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釣りのプロフェッショナルとして心がけていることは?

山川魚釣りの魅力がどうしたら最大限伝わるかどうかをものすごく考えてイベントの企画や運営をしています。打ち合わせや実施まで、参加されるお客様がどう楽しんでもらえるかを大切にしています。そのために日々勉強する事も大切です。魚の習性、釣り道具、魚の食べ方、マナー等を常に頭の中にイメージする事で、いつ何時でも釣りのアドバイスができるようにしておくように心がけています。

釣場におけるプロフェッショナルとは

山川プロフェッショナルは、何かにもともと優れているわけではなく誰よりも知識や技術の向上に努めなければいけない人だと思っています。プロフェッショナルだからと言って釣りの事をなんでも知っているわけではないんです(笑)
でも、知っていて当たり前なイメージがあると思いますし、その点においては手放しで頼れる存在であるべきとは私も思います。そこがプレッシャーでもありますが、FAが釣りのプロフェッショナルであり続ける為の努力は惜しまないようにしています。

社員向け釣り研修で心がけていることは?

山川イシグロでは実際に釣りに行く研修が多いですが、その際にただ釣り方を覚えるだけではなく、その釣りのどこが面白いのか、何が魅力なのかを言葉で表現できるようになってもらう事を意識しています。例えば、マグロの釣りであれば船で陸が見えないほど沖に行って、見つけたマグロの群れが水面で水柱を立てている中に手のひらよりも大きなルアーを投げ込むダイナミックさだとか、リールが壊れんばかりの強烈な魚の引きや、釣りあげた時のマラソンを走り終えたかのような達成感だとか...言っていけばキリがないんですけど、釣具店の店員としてただただ「釣りが楽しい」と言うのでは無くどこが、何が楽しいのかを言語化できるようになると、釣人から釣具店店員に成長したのかなと思うので教育の場で特に伝えたいのはその点ですね。

釣りと誰よりも近い場所で働くFA。その仕事観とは。

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釣具店においての釣りとは

山川他業種の職場でキャリアアップに必要なスキル、知識、資格等があるかと思いますが、釣具店に身を置く者にとって釣りの知識は商売において同じ意味を持つと思っています。取り扱っているものが釣りという趣味だからこそ、仕事の為の自己啓発が遊びなので苦ではない。それは大きな釣具店のメリットだと思います。

FAにとっての釣りとは

山川アドベンチャーです!これが一番伝えたいことですね。まさに冒険です。私の釣りのルーツは祖父に連れて行ってもらった簡単な小物釣りですが、こんなに楽しいものがあるかと感動したのを覚えています。中学生時代、車が無い時は自転車をこいで何十キロも遠い海に行って、帰ってきたら辺りは真っ暗。こっぴどく親に怒られたこともありました。そんな大冒険に熱中する気持ちが、自分でも驚く事に今でもその時と同じなんです。今は車で釣りに行きますけどね(笑)生涯楽しめるレジャーなので、間違いなく釣りは一生続けますし、仕事に繋がるイシグロの仕事はやはり楽しいと思えますね。

最後にFAが目指す事はなんですか?

山川 釣り場のマナー悪化の関係で、各種漁港などの釣り場が閉鎖する事が問題となっています。もちろん、釣具店としてそういった場所をおすすめして商売ができなくなることもあります。ですが、イシグロという会社の一員として想う事は、身近な水辺で手軽にできる素晴らしいレジャーを一人でも多くの方に体感してもらう為に、その源である釣場保全の啓蒙活動は続けていきたいですね。
親や家族から引き継がれる数少ないレジャーでもありますので、釣竿を持って楽しそうに笑う子供達を見る事も私の幸せです。
釣場でのマナーを守る事が当たり前となって、どんな場所でも釣りができるようにする事。これがFAとして叶えたい大きな目標です。