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イシグロ高林店(受付担当スタッフ村松)より、
リメイク、リペア依頼品が入荷しました!!
こんにちは、
工房担当福田です。
今回の依頼品は、 「水郷 2.7M」
今回の依頼内容は、
「サンプルロッドと同じ様なグリップ仕様にする。」
写真の上竿が、お借りしたサンプルロッド。
プレートシートを外して握り部はスレッド巻きにて土台を作り、
握りはザラザラ感を出し色は漆の黒で仕上げる。
プレートシートの位置や、質感を含め全体的に同じ仕様にしていく。
プレートシートのスレッドを外すと、2.7m 水郷、、、。
グリップの糸をほどきシート土台を外す。
ブランクのみにする。
グリップを剥くとかなり細身になってしまったが、
これから土台を作りサンプル品に寄せる。
下地に残ったエポキシを綺麗に剥がす。
ヒートガンで熱してから、プラバンでエポキシを擦ると、
大体綺麗に剥がれる。
後は大まかにペーパーヤスリでサンディングして整える。
下地作りに入る。
スレッドを巻いてからコーティング。
スレッド巻き➔コーティングを繰り返す。・・・3回程。
表面のデコボコを板にペーパーヤスリを貼りならしていく。
通常のスレッドでは、握りの粗い表面にならない為、似た様な糸で総巻きしてから、
コーティングしていく。
サンプル品の様に表面のザラザラ感を出す。
糸巻き時もテンションを張り過ぎると目が揃い過ぎてしまう為、
ラフに巻く事によりサンプルに近い見た目になる。
隙間も、「空き過ぎず、密になり過ぎず」隙間を作りながら巻く方が難しい。
色付けと薄くコーティング。
色つけは、漆の黒。薄め液はうるし専用の物を使用。
人口漆の為、皮膚がかぶれる事はほとんど無いですが、
敏感肌の方は、かぶれる可能性があります。
匂いも漆独特の匂いが充満する為、自宅で漆を塗る場合は特に換気が必要。
工房でも塗った後は定期的に換気扇を回して空気の入れ替えをします。
漆の黒を出して薄め液で希釈。
筆で塗り黒色をしっかり染み込ませていく。
筆を使用すると表面がならされて、ザラザラ感のない大人しい感じになってしまう、、、。
漆は乾燥が遅い為、塗料を乗せすぎると乾燥に時間が掛かる。
見ため塗料が多い所は全体にティッシュペーパーで押し当てながら塗料をなるべく均等にする。
ザラザラ感を作るには、、、。
ティシュペーパーで水分を吸った後は、表面のザラザラ感を再現していく。
ペーパーヤスリの粗目で糸目に引っかけながらグリップ全体に行う。
糸目の広がりと荒さをしっかりと立たせる事が出来る。
現状では少しシャープ感の無いデコボコ状態だが、
様子を見ながら、乾燥後もう一度漆の黒を塗り込んで完成させる。
漆の粘度をコントロールする事で、ザラザラ感の度合いが変わる為、
今回は濃いめで完成させたい。
漆を2回塗り乾燥完了。
ザラザラ感、質感も申し分なく、漆の黒が際立ってグリップ全体のシャープ感が出る。
漆を塗ると独特の質感や塗料のテカリが出て高級感も漆塗りならではの醍醐味が出る。
漆の匂いも相まって、グリップ部は高級の和竿風に仕上がっている。
後はサンプル品に合わせてプレートシート位置を確認後、スレッド巻きにて処理。
スレッドの巻き幅を測りサンプル品に近づける。
エポキシコーティング2回目で少し厚さを出してボリュームを持たせる。
お借りしたサンプル品に近い感じに仕上がっていると思います。
乾燥をしっかりさせる事で、少し濃いめに塗った漆も定着する。
漆塗りは高級感が一気に増す。
ご依頼店のイシグロ高林店へ、
定期便にて返送致します。
今回の作業金額合計は、パーツ(プレートシートは再利用)
工賃合計金額、8,250円(税込み)となります。
ご参考までに、、、。