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LOGIGEARアジングブランク 徹底比較でわかったオススメの使い方と選び方

2024/12/29
  • 94 view
  • ロッドビルディング・カスタム
アジングブランクを徹底比較しオススメの使い方と選び方のロッドビルディング考察記事です。アジングロッドビルダーへの参考資料ともなります。

ロジギアアジングブランク 徹底比較でわかったオススメの使い方と選び方

アジングロッドを作りたいと思っていてもブランク選びで悩んでしまうという方は多いと思います。イシグロ静岡中吉田店では「マグナムクラフト」「ロジギア」「ジャストエース」「マタギ」等、主要4ブランドすべてを取り扱いしています。そんなイシグロ静岡中吉田店に在籍するスタッフが、実際にアジングロッドを製作し実釣を重ね、体感した経験を基に静岡エリアでのロジギアアジングブランクについてオススメの使い方と選び方をご紹介させていただきます。

今回は「ロジギア」の中でアジングロッドビルディングによく使われる
AJストリーム53
AJプラス510
TRセンシティブ54
この3種類を比較することでそれぞれの長所を記事にさせていただきます。
みなさんの竿の調子の好みは様々ですし、釣り方、地域性も異なると思いますので、この記事を参考にして自分に合ったアジングブランク選びのヒントになれば幸いです。

【目次】

静岡エリアでのアジングとは

静岡市でのアジングスポットとしては清水港が有名です。アジは回遊魚なため特定のポイントは無く、時間帯や日によってポイントは変化していきます。潮の流れやラインの太さにもよりますが0.5~1.5gのジグヘッド、2インチ程度のワームを使用するケースが最も多いです。アジのアベレージサイズは15~20cm程度であることが多いです。


天気の良い日は富士山を眺めることもできます

静岡エリアでのアジングに向いているロッドのスペック

竿の長さは5.8~6ft程度でルアーウェイト0.5~5g程度のアジングロッドが適しています。


長さ、ルアーウエイトなど専用アジングロッドを使うと更に楽しめますね

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比較対象としたブランク

今回は「ロジギア」シリーズの中でもアジングロッドビルディングに良く使われる3種類を比較対象として選定しました。
AJストリーム53
AJプラス510
TRセンシティブ54


高弾性カーボンシートを使用したアジングブランクはアンサンド仕様

ロジギアLOGIGEARとは

イシグロが釣り人の理想を形にするべく開発したブランクブランドです。これ以上ない感度・飛距離・軽さ・操作性を手に入れるために最高級のカーボンシートを使い超弾性ロッドを実現させました。高弾性カーボンは細マッチョで、脂肪(接着剤)が少なく筋肉量(弾性が高い)が多い仕様となっています。簡単に言いますと、軽くて細いのにパワーと反発力は物凄く強いってことです。「ロジギアは、ただ硬いだけのブランクではない」なんてカッコつけて言っちゃいます。

ロジギアは軽くて細い「細マッチョ」なカーボンブランクがコンセプトです

AJストリーム53とは

40Tの超高弾性カーボンシートを使用したライトゲーム専用の1ピースブランク。アジングでは究極の感度によりわずかなアタリを手元に伝え、自重21gの軽さによりこれ以上ない操作性を体感できます。渓流では、反発力の強さによりヘビーシンキングミノーのトゥイッチングをメインとするアングラーに最適なモデル。張りがあるため、バス、ボートシーバスにも使用できます。

全長 5.3ft(約160cm)
カーボン 40Tカーボン使用
継数 1本
先径 約1.5mm
ブランクエンドから30cm上部の外径 約6.3mm
ブランクエンドから20cm上部の外径 約6.7mm
ブランクエンドから10cm上部の外径 約7.0mm
元径 約7.5mm
自重 21g
ルアーウェイト 0.5~10g


ロジギアのスタートとなるブランクでこのモデルを基本に色々なモデルが生まれています。

AJプラス510とは

40Tの超高弾性カーボンシートを使用した人気ライトゲーム専用の1ピースブランク「AJストリーム53」をベースにパワーを強化したバーサタイルブランク。バスやボートシーバスの穴打ち、フラットゲームやロックフィッシュなど様々なロッドへ応用可能。細身で軽量なうえ、高感度、操作性の良さを両立。さらに魚が掛かってからはパワフルにリフトできるブランクに仕上がっています。

全長 510ft(約177cm)
カーボン 40T+24Tカーボン使用
継数 1本
先径 約1.3mm
ブランクエンドから30cm上部の外径 約7.4mm
ブランクエンドから20cm上部の外径 約7.7mm
ブランクエンドから10cm上部の外径 約8.2mm
元径 約8.4mm
自重 24g
ルアーウェイト 4~20g


AJストリームよりもバットパワーを上乗せしたモデルです。

TRセンシティブ54とは

高弾性カーボンを使用しつつも、ハリの強すぎない適度なしなやかさを残すことで、ライトソルトのみならず、トラウトロッドなどにも使用できるブランクに仕上がっています。驚異の自重17gは際立つ特徴です。

全長 5.4ft(約163cm)
カーボン
継数 1本
先径 約1.4mm
ブランクエンドから30cm上部の外径 
ブランクエンドから20cm上部の外径
ブランクエンドから10cm上部の外径
元径 約7.5mm
自重 17g
ルアーウェイト 0.5~7g


アジングだけでなく、バス、トラウトビルダーさんからも支持を集めています。

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ガイドセッティング

今回はブランクを比較する企画のため、ガイドセッティングはすべて同じガイドセットを使用しました。どうしてもガイドの個数や取り付け位置によって調子の違いが出てきてしまうため、ブランクそのものを比較するべくあえて同じガイドセットにしました。

使用したガイド

使用したガイドセットは富士工業「T-ATTG128」です。
T-KTTG3×4個
T-KTTG4
T-KTTG6
T-ATTG8
T-ATTG12
トップガイドは別売りのLFTT3です。


ガイドセットは選ぶ手間も省け、かつ割安なので初心者さんにオススメです

ガイド間隔

TOP-➀G:47mm
➀G-➁G:53mm
➁G-③G:64mm
③G-④G:90mm
④G-⑤G:110mm
⑤G-⑥G:135mm
⑥G-⑦G:195mm
⑦G-⑧G:250mm

今回はガイドセットの中で軽量かつラインとの接触面積の大きいトルザイトリングガイドを搭載したモデルを使用しました。

トルザイトリングガイドとは

富士工業が開発したセラミックリングの最高峰として君臨する「Sic」を上回る究極の薄さで口径を広げることに成功、それによってサイズダウンが可能になり軽量化を実現できる最上級ガイドです。


ラインへの反応をロッドへつなぐ大事なパーツですね。

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グリップパーツセッテインング

ガイドセッティングと同様に全く3機種同じ物を使用しました。ブランクを比較する企画のためオーソドックスな選択をしてあります。

使用したパーツの紹介

パイプシート「SKDPS-KN16IC
フロントフード部カーボンパイプ「CB-K16LC」カット加工
リールシート中間部カーボンパイプ「MCP50-15」カット加工
フロントグリップ前側ワインディングチェック「D16-FRZ7.5
パイプシート後側ワインディングチェック「D16-FRM7.5」
フロントフード部ワインディングチェック「K16-CBTOP
リールシート中間部ワインディングチェック「D16-FR
パイプシートとリアグリップ中間部メタルパーツ「D16-VR
リアグリップ「TRG27-05EBK08」カット加工
セパレート部ワインディングチェック「HTWC-B7.5
バットエンド「EABS-CX23
ウレタンアーバー「UTA-12


デザイン性と軽量性を兼ねたパーツ選びを心掛けました。

チタンティップチューン

今回はすべてのブランクに同じチタンティップを取り付けしチタンティップチューンを施したブランクを使用しました。


2段テーパー加工が施され接着しやすく出来ています。

使用したチタンティップ

形状記憶合金オリジナル2段テーパー0.7-1.5-0.7-175

チタンティップカスタム用のTsulinoオリジナル2段テーパー素材。アクションへのこだわりと、ブランクに接続しやすいように、差込口加工があらかじめ施されています。先径0.7mm、最大外径1.5mmの外径素材を用意することで、ライトゲーム等より繊細な釣りに対応するロッドにカスタムすることができます。使い手次第で小さなアタリも体全身に響き渡る、様々な超高感度ロッドを製作することが出来るようになります。

先径 約0.7mm
最大径 約1.5mm
元径 約0.7mm
全長 約175mm
自重 約1g


先調子になり易いためガイド個数設定は多めにしてあります。

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ロッドテスターのご紹介

イシグロ静岡中吉田店が誇るアジンガーのスタッフ興津・望月です。

スタッフ興津

アジング歴10年
Youtubeからアジングに興味を持ち、気が付けば地元静岡で10年アジングを続けています。ショアからボートアジングまでマルチに釣行し、その実力は静岡中吉田店随一です。黙々とストイックに釣りをし続ける姿は後輩やお客様からの信頼も厚いです。

スタッフ望月

清水エリアでのルアーフィッシングのスペシャリストであり、社歴は浅くも驚異の新人としてお客さんからの信頼を得ています。ロッドビルディングに関しても積極的に取り組み、その学ぶ姿勢は伸び盛りです。

実釣テストの成果

実際に同じガイドセッティング、同じグリップパーツセッティングでAJストリーム53、AJプラス510、TRセンシティブ54を製作しました。似たようなスペックでも使用感には大きな差が出ました。(以下はイシグロ静岡中吉田店独自の感想になります。感覚による個人差はあります。またガイドセッティング、グリップセッティング等でも変わります。参考資料としてご活用ください。)

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3種類のブランク比較

ブランクの重さ
ブランクの重さ
AJストリーム53 21g ★★★★☆
AJプラス510 24g ★★★☆☆
TRセンシティブ54 17g ★★★★★

TRセンシティブが最も軽量です。例外もありますが「感度は軽さに比例する」なんて言葉もあるくらいなのでブランク選びの重要な項目の一つです。

キャスト時の感覚
キャスト時の感覚
AJストリーム53 軽めから重めまで投げやすいモデル ★★★★★
AJプラス510 重めのルアーを使用し反発力活かす ★★★★★
TRセンシティブ54 軽量ルアーを竿のしなりで飛ばすイメージ ★★★★★

ルアー選択や個人差によっても感覚は変わってきます。ロジギアシリーズはブランクに適度な張りがあるためキャスト時のコントロール性能を高く維持でき、狙ったスポットに正確にルアーを届けます。

感度の違い
感度の違い
AJストリーム53 軽さと感度を共存し反響を生み出す ★★★★☆
AJプラス510 高い反響性が素直に持ち手に伝わる ★★★★★
TRセンシティブ54 糸ふけに出るアタリは際立ち反響も良い ★★★☆☆

どのブランクも高弾性カーボンを使用しているため高い感度を発揮しますが、より軽量のルアーを使用しロッドで感度を得たい場合はAJプラス510をオススメします。ルアーの微細な動きや着底感をしっかりと手元に伝えロッド操作がし易く思います。

アクション時の反応性
アクション時の反応性
AJストリーム53 適度な張りでアクションへの反応も良い ★★★★☆
AJプラス510 全体に張りがありアクションへの反応はピカイチ ★★★★★
TRセンシティブ54 胴調子のためアクションへの反応は緩やか ★★★☆☆

バット部にパワーを強化させたモデルであるAJプラス510が反応性は高く感じました。ブランクをアクションさせた時に即座に反応しルアーが思い通りに動くため狙ったレンジをキープし易いです。

やり取り中のブランクの柔軟性
やり取り中のブランクの柔軟性
AJストリーム53 素直なフッキングと安定感のあるやりとりを実現 ★★★★☆
AJプラス510 柔軟性は多少劣るが魚に主導権を与えないパワー ★★★☆☆
TRセンシティブ54 しなかやかつ美しい曲がりで魚の引きを追従する ★★★★★

魚を掛けても美しいベントカーブを描くTRセンシティブ54に軍配が上がりました。ブランク全体にしなやかさがあるため、ルアーの動きが自然に伝わり、食わせの間を作りやすい印象です。

ブランクのリフト力・反発力・復元力
ブランクのリフト力・反発力・復元力
AJストリーム53 バランス重視も十分な反発力あり ★★★★☆
AJプラス510 シリーズ最高の反発力を誇る ★★★★★
TRセンシティブ54 柔軟性を優先しているモデルだが良い ★★★☆☆

ロジギアシリーズは反発力が適度でリフト後に素早くブランクが復元し次の動作へスムーズに移れます。無駄な力がかからないので短時間での勝負を挑めます。

総評

港内エリアには複数の堤防や防波堤があり、夜間にアジが集まりやすいです。水深は比較的浅めですが、足場が良いため初心者にも釣りやすい環境です。常夜灯の明かりにプランクトンが集まり、それにアジが寄るケースもあります。外海側では潮通しが非常に良いため大型の回遊アジが狙えることがあります。水深が深めのポイントもあり、ボトム付近まで探ることが効果的な場合が多いです。秋から冬にかけてアジの回遊が増え、比較的釣果が期待しやすいです。
以上のことを考慮しロジギア3種類での港内エリアオススメの使用法と選び方について書いていきます。


その日のヒットパターンと合えば爆釣も夢ではありません

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それぞれのブランクのオススメの使用法と選び方

あくまで個人的な感想となりますが参考としていただけたら幸いです。

AJストリーム53 オススメの使用法と選び方

オールマイティで3アイテムの中で最もバランスのとれたモデル。軽さ、リフト力、反発力、どれにおいても高い性能を発揮するバーサタイルなブランクです。ロジギアチタンティップと組み合わせたSONEカスタムはチタンティップが継いであるとは思えない程の美しいベントカーブを描きます。チタンティップの取り付けには自信がない・・・なんて方はチタンティップ取り付けがすでになされているAJストリームSONEカスタムというモデルもご用意してあります。初めてチタンティップを搭載したアジングロッドを作ってみたい!と考えられている方にはこちらのモデルがオススメで、この先の自分の方向性を定める基準の一本となります。掛け調子、乗せ調子、どちらのスタイルにも挑戦してみたいという方にはバランスのとれたAJストリーム53を選んでみてはいかがでしょうか。静岡エリアで例えるならば季節に捉われないオールシーズン向けで15~20cm程度のアジにオススメです。


バランスのAJストリーム53はオールマイティ

AJプラス510 オススメの使用法と選び方

3アイテムどれも高弾性カーボンが特徴のロジギアライトソルトシリーズの中でも最も張りのあるモデル。ロッド感度という点は3アイテム中で最も優れており、手感度を重視するフィッシングスタイルの方にオススメのブランクとなっております。しなやかで繊細なチタンティップとの相性が良く、チタンティップの中でも繊細なモデルと組み合わせることで更にその特性を伸ばせるロッドにできると思います。ルアーのフォール中のアタリをいち早く取り、魚を掛けにいく攻撃的なスタイルの方にはAJプラス510を選んでみてはいかがでしょうか。静岡エリアで例えるならば冬シーズンの20~30cm程度の良型アジやボートアジング、真鯛やシーバスなどの大型の外道が狙えるこの時期にオススメです。バット部にパワーを持たせてある構造のため、大型魚を相手にしても主導権を握れるパワフルさがあります。

反応性と反発力に優れたAJプラス510

TRセンシティブ54 オススメの使用法と選び方

驚異の自重17gが最も目を見張る点で、高弾性カーボンが特徴のロジギアライトソルトシリーズ3アイテムの中で最軽量かつしなやかなブランクがTRセンシティブ54です。ブランクに弾性がありつつもよく曲がるブランクのため魚を掛けてからの魚とのやり取りを優位にすすめることができます。糸ふけで魚のアタリを見るフィッシングスタイルの方にオススメのブランクとなっております。またブランク単体でも美しいベントカーブを描くためティップを継がずに別用途として使用されるビルダーさんも多くいます。ルアーの巻きでの誘いや巻き合わせ、吸い込みの良さを重視する方にはTRセンシティブ54を選んでみてはいかがでしょうか。静岡エリアで例えるならば豆アジと呼ばれる10cm程度の魚から秋シーズンの15~20cm程度のアジ狙いにオススメです。


軽量性としなかやさに優れたTRセンシティブ54

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まとめ

アジングブランクを選ぶ参考資料の一つとしてお役に立てたでしょうか?
今回は「ロジギア」シリーズのブランクに絞って比較させていただきましたが、例えば同じブランクを使用したとしても竿先に継ぐティップの種類によってそのブランク性能は大きく変わります。チタンティップ・カーボンソリッド・グラスソリッドティップと素材を変えるだけでもその竿の特性は大きく変わり、更に長さや先径、テーパーによっても無限に選択肢は存在します。
ロッドビルディングに正解は無く、可能性は無限大です。例えば、気持ちの良いアタリが出る竿だけが「良い竿」の前提では無かったりもしますし、バランスのとれた作りが「良い竿」とも限りません。自分だけが満足する竿を作れるのがロッドビルディング最大の魅力!みなさんも竿作りを是非楽しんでください。我々イシグロスタッフもロッドビルディングの楽しさを伝えるべく努力し全力でサポートさせていただきます。

記事執筆 イシグロ静岡中吉田店スタッフ大戸

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